Interview 4

曖昧な回答に対するユーザーの印象

コミュニケーションの場面にもよると思われますが、人とチャットボットの場合、AIの回答内容も曖昧なものではなく、白黒ハッキリ答えが出ていないとイメージダウンにつながるのでしょうか。
例えば、チャットボットがユーザーの質問に対して曖昧に答えたり内容が理解できなかったりすると、もう一回質問する気がなくなる、という心理状況が考えられます。

これも非常に面白い質問ですね。まず最初に、白黒ハッキリ答えを出さないとコミュニケーションの対象としてイメージダウンにつながるかというと、そんなことはありません。ただ、目的を限定した状況においてチャットボットを使っているのであれば、曖昧な回答は許されないというのはあり得ます。
まず、人間は曖昧な状態だと不安感情を抱くことがあります。でも一方で、ポジティブな感情を抱く可能性もあるんですよ。それを研究したツァイガルニクという心理学者がいます。心理学的にはツァイガルニク効果と呼ばれていて、有名な心理効果としてハンドブックにも出てきます。具体的に説明すると、実は先程の議題になったチャットボットの黄金比、これに近い答えを既に出しているアメリカの書籍があるんですよ。
そのタイトルは……また来週お会いした時にお話ししましょう。

これで詳細が気になっちゃうんですね。答えがハッキリしないまま中断されると人は引っ張られる、これがツァイガルニク効果です。面白いもので、もっと知りたい、もっと調べたい、より情報を引き出したいといった学習力を高める効果があるんです。アマゾンプライムビデオのような連続した動画を観ている時に、ちょうど先が気になるタイミングで終わるんですよ。続きが観たくなる。これもまさにツァイガルニク効果で曖昧な状況を作り出すことで、ポジティブな期待を高めているんです。
ではチャットボットの場合、この心理効果をどう応用できるかというと、そもそも意図的に会話を終わらせることは難しいと思います。チャットボットの役割は言語情報を使って端的に回答を導き出すことですから、例えばお店までの道のりを聞いた時に、「そうですねぇ。道のりはいかがでしょう。」と曖昧に返されると、「なんでやねん!」ってなりますよね。逆に「私の人生の道のりは何処へつながっているのでしょうか?」と質問して、「左へ進んでください。」と唐突に答えが返ってくると、それはそれで違和感がある。チャットボットは質問と回答が一致する明確なものに応用しているので、曖昧なテーマは扱いにくいんです。
ただし、人間同士のコミュニケーションであれば、曖昧な要素が相手に不安を与えるかといえばそうではない。例えば、がん患者さんに余命を明確に伝えることは是か非かということです。「先生、私の余命はあとどれくらいですか?」「24時間ですかね。」こう答えるのが是の場合もあれば、24時間しかないと絶望させてしまう可能性も十分に考慮して、「私はあとどれくらい生きられるんでしょうか?」「難しい判断ですね。」と曖昧に言葉を濁すのが最良の場合もある。これこそが人間らしいコミュニケーションといえるのではないでしょうか。
参考にしていただければと。

ありがとうございました。(5へ続く→)

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