Interview 3

言語情報と視覚情報のバランス

チャットボットはテキスト中心のコミュニケーションとなりますが、内容を非言語コミュニケーションで補うには、画像や動画といった視覚情報が必要と思われます。ただ、そうなるとユーザーの認知が言語情報ではなく視覚情報を優先し、テキスト内容が霞んでしまうのではないかと推測されます。
言語情報と視覚情報、双方の認知のバランスを適切にするためには、どのような点に注意すればよいでしょうか。

とてもクリティカルな質問ですね。実はこれに関しては、最先端の研究者たちも答えを持っていません。

そうなんですか!

むしろ、日夜このテーマを研究しているんです。結論から言うと、言語と非言語のバランスをうまくとる方法は、その時の相手によりますよね。絶対に誤解が生じないコミュニケーションは、現時点では無理だと捉えている人もいます。情報発信という手法だけではコントロールしきれないんです。コミュニケーションという定義は、発信者と受信者の双方がいることによって成立しますから、どんなに言語情報や視覚情報を発信者が細かくコントロールしたとしても、100%の黄金比は導き出せない。
ただ、近付けるためのヒントはあります。研究者たちがなにを実証しているかというと、チャットボットにしかできないこと、人間にしかできないこと、ここをはっきりと線引きして開発を行なっています。オペレーターと会話しなくても質問に即座に回答してくれるのがチャットボットの大きな利点ですよね。極端に言うと、視覚情報がなくても答えさえくれればよい、だから敢えて視覚情報は入れないという選択もあります。

なるほど。つまり情報の入口として、初めからいくつかの選択肢を用意しておいて、「あなたが知りたいことはこれですか? それともこれですか?」と素早くメニューを提案する形式が好ましいですね。

むしろ、今ほとんどのチャットボットが選択式になっています。現在のAI技術では、人間と同じような機微を理解したり想像することはできないので、この選択肢の中でどれに該当しますか?という落とし方をする。その部分にビジュアルはあまり影響していないんです。これらを留意して開発するのが良いのではないかと。
私も知りたいですね。言語と非言語の黄金比を。

ありがとうございました。(4へ続く→)

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